2012年3月28日水曜日

全米ボックスオフィス考 - シネマトゥデイ


久しぶりのマーク・ウォールバーグ主演の新作が全米トップに! - 1月16日版

2012/01/17

「へへ~! ありがとうみんな!」 -マーク・ウォールバーグ - Theo Wargo / NBCUniversal / Getty Images

 ゴールデン・グローブ賞授賞式の発表と重なった週末ボックスオフィスは、マーク・ウォールバーグのサスペンス・アクション作品『コントラバンド(原題) / Contraband』 が2,450万ドル(約19億6,000万円)の収益を上げ、全米ナンバーワン映画となった。(1ドル80円計算)

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 映画『ディパーテッド』で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、アカデミー賞の2部門で受賞した映画『ザ・ファイター』では主役を演じた後、ごぶさたモードのマークだったが、この映画がナンバーワンになったことで再び活気を取り戻した形となった。配給ユニバーサル映画の行った観客調査によると、作品を観に来ていた51パーセントが男性客で、全体の55パーセントが30歳以上だったという結果が発表されており、通常この手の映画が好きな観客年齢層よりもやや高めの客層となった。

 『ライオン・キング』を3Dで公開して大成功を収め、今度は『美女と野獣』の3D版を公開したディズニーだがデビュー週末において全米トップには届かず、1,775万ドル(約14億2,000万円)の収益で第2位に甘んじた。とはいうものの全体興収の97パーセントが3Dからの収益ということで、同作品の3D版公開はビジネス戦略として十分成功したといえる。

 第3位は、公開5週目に突入した映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で1,170万ドル(約9億3,600万円)となり、これで第1作目の興行収入の記録を破った。第4位は、クイーン・ラティファとカントリーミュージック界の大御所ドリー・パートンが初顔合わせとなった映画『ジョイフル・ノイズ(原題) / Joyful Noise』で1,126万ドル(約9億80万円)。歌あり笑いあり涙ありの作品で、当然のことながら観客は73パーセントが女性客で年齢層は65パーセントが35歳以上と、ドリーの出演が大きく貢献したとみられる。第5位は先週からツーランクダウンの映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』で861万ドル(約6億8,800万円)。現在までの総合興収は1億7,211万ドル(約137億6,880万円)となっている。

 次回のチャート予想だが、週末に公開される新作の中で、現在のトップ3の作品を脅かしそうな新作は1本のみ。マイケル・ダグラス、ユアン・マクレガー、アントニオ・バンデラス、そして今をときめくマイケル・ファスベンダーが出演するスティーヴン・ソダーバーグ監督のスパイ・アクション映画『ヘイワイヤー(原題) / Haywire』だ。ジナ・カラノという無名の女優が主役の秘密工作員を演じるからか、周りを固める豪華キャストの割にはメディアでの露出が弱く、それがボックスオフィスでどういった影響を及ぼすかが注目される。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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2012/01/12

こちらは映画『ザ・デビル・インサイド(原題) / The Devil Inside』に出演しているフェルナンダ・アンドラーデ - Young Hollywood / FilmMagic / Getty Images

 大ヒット中のトム・クルーズ主演映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』をけ散らし、1月のデビュー週末興収記録において第3位という記録を打ち立て、映画『ザ・デビル・インサイド(原題) / The Devil Inside』が全米ナンバーワン映画となった。

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 今週末のみで3,373万ドル(約26億9,840万円)という収益をたたき出したこの映画は、出演者たちは無名俳優たちばかり。おまけに低予算で製作されたもので、このヒットの度合いは関係者たちにとってうれしいサプライズとなった。(1ドル80円計算)


なぜウォルト·ディズニーは、映画を作り始めたのですか?

 代わって第2位は、4週目に入り32.5パーセント落下の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で1,987万ドル(約15億8,960万円)。とはいうもののこれまでに1億6,957万ドル(約135億6,560万円)の総合興収を上げ、この勢いで行くと今週中にはシリーズ第1弾映画『ミッション:インポッシブル』の最終総合興収である1億8,100万ドル(約144億8,000万円)を追い抜き、シリーズトップの興行収入を誇る2作目の映画『M:I-2』の2億1,541万ドル(約172億3,280万円)をも抜く勢いだ。

 今週の第3位は、先週より1ランクダウンで映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』で1,369万ドル(約10億9,520万円)。これまでに1億5,705万ドル(約125億6,400万円)の総合興収を上げたこのシリーズ第2弾は、当初第1作目の映画『シャーロック・ホームズ』の足元にも及ばないとうわさされていたが、そんな評価を一蹴(いっしゅう)している。

 第4位は、23.3パーセントと落下度が低かった映画『ドラゴン・タトゥーの女』で1,136万ドル(約9億880万円)。ダニエル・クレイグと渡り合う新人女優ルーニー・マーラに対するアカデミー賞のうわさもあり、これから映画賞シーズンに向けてチャート動向の気になる作品だ。

 第5位は、冬休み終了と共に42パーセントも降下した950万ドル(約7億6,000万円)の映画『アルビン・アンド・ザ・チップマンクス:チップレックト(原題) / Alvin and the Chipmunks: Chipwrecked』。先週水曜日に興行収入が1億ドルの大台に乗り、現在の総合収益は1億1,159万ドル(約89億2,720万円)となっている。

 新年2週目の全米ボックスオフィスは、『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』をはじめ先週に引き続いて快調に飛ばしている作品が多く、トップ12作品の興収を総合してみると去年の同時期と比べて28パーセントも上昇しており、ハリウッド映画業界にとっていいニュースである。

 さて次週のチャート予想だが、トップ5を狙う作品が2本ほど控えている。1本は新作ではないのだが3Dでお目見えする作品でかなりの強豪となりそうな、ディズニー・アニメ屈指の名作映画『美女と野獣 ディズニーデジタル3D』である。映画の中で、ベルと野獣の大広間での舞踏シーンや、お城の食器たちが踊るミュージカル・シーンなど3Dになったときの見どころが多いこの作品の3D化は、興行的にかなり賢い戦術と考えられ、老若男女の映画ファンが一般入場券よりも高い3D入場料を支払ってでも観に来る可能性が高い作品である。

 次回のチャート上位を狙う、もう1作品は主演マーク・ウォールバーグが映画『アンダーワールド』シリーズでおなじみのケイト・ベッキンセイルと共演するサスペンス新作映画『コントラバンド(原題) / Contraband』。麻薬王から弟の命を救おうと、パナマに出向き大量の偽札作りに関与することとなる兄をマークが演じる。果たして本作では、スターパワーを発揮して本作の看板を背負うことができるか注目だ。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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2012/01/05

「次のミッションは、3週連続トップを狙うということでいいんだな? ただちに取り掛かる!」 -映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』より - (C) 2011 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

 年明け1発目のボックスオフィス・バトルの勝者は2週連続で映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』となり、トム・クルーズ陣営にとっては幸先のいい新年の始まりとなった。2,942万ドル(約23億5,360万円)の収益を上げ、封切り後3週目にして1億ドル(約80億円)の大台を突破。これまでに1億4,186万ドル(約113億4,880万円)をたたき出し、第1作目の映画『ミッション:インポッシブル』が立てたトータル収益記録1億8,100万ドル(約144億8,000万円)をも抜く勢いとなっている。(1ドル80円計算)

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誰がドレイクとジョシュからミンディーを果たしています

 第2位も、2週連続となった映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』で2,089万ドル(約16億7,120万円)の収益。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に破れたものの先週から3パーセントの収益アップとなっており、現時点でのボックスオフィス総額も1億3,947万ドル(約111億5,760万円)と、公開3週目に入って追い上げを見せている。

 第3位は、1,637万ドル(約13億960万円)でファミリー映画『アルビン・アンド・ザ・チップマンクス:チップレックト(原題) / Alvin and the Chipmunks: Chipwrecked』。先週から30.1パーセントの収益アップと、映画のジャンルから考えても、まさに冬休みの恩恵をこうむった作品の代表といえる。

 第4位は、ランキング的には落下したものの収益的には16.1パーセントの伸びを見せた映画『ドラゴン・タトゥーの女』で1,482万ドル(約11億8,560万円)。デヴィッド・フィンチャー監督の歴代作品の中では、映画『エイリアン3』を抜かして第5位に躍り出ており、ジェシー・アイゼンバーグがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた映画『ソーシャル・ネットワーク』のトータル収支に届く可能性もある。

 そして第5位は、先週トップ5圏外だったスティーヴン・スピルバーグ監督映画『戦火の馬』で1,442万ドル(約11億5,360万円)。ここのところハリウッドでもにわかにアカデミー賞有力候補として急浮上してきており、これから先のチャート動向が気になる作品である。

 年始は新作の公開ペースが落ちるのは常だが、今週末リリースされる新作は特にさえず、ハロウィーンでもないのになぜかホラー映画『ザ・デビル・インサイド(原題) / The Devil Inside』が大々的に全米公開される。この作品が、現在トップ5を固めている作品のどれかを引きずり降ろすとは思えないものの、この季節外れのホラー映画が果たしてどこまでチャートを上ってくるか少しだけ興味がわく。(文・ロス取材:明美・トスト/Akemi Tosto)

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2011/12/28

このままシリーズトップの成績を追い抜くまで登るぜっ! -映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』より - (C) 2011 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved

 週末から全米一般公開となったトム・クルーズ主演の大作映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』がクリスマス週末に2,950万ドル(約23億6,000万円)をたたき出し、初登場のスティーヴン・スピルバーグ監督の新作2本をけ散らして全米ナンバーワン映画となった。先週末は425スクリーンIMAX館でのみの小規模公開だったにもかかわらず第3位に食い込んだこの作品は、クリスマスの連休を前に上映館を3,448館に大きく拡大。『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』を1週間でトップからけり落とした。(1ドル80円計算)

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 デビューした週はIMAXでの上映のみということで、現時点での総合興収は同時期における前作3本のそれに劣るが、本作においては最初は飛ばしていたがガス欠になるのも早かった前作3本よりも長丁場が期待できそうなチャートの動きを見せており、最終的には前作の映画『M:i:III』の総合興収は軽くクリアし、うまくいけば1996年に公開された第1作目の映画『ミッション:インポッシブル』のトータル成績を抜く可能性が出てきている。アメリカ国内の人気映画ファンサイトにおける同作の評価もA-と高く、この成績からも今後期待できそうだ。

 配給のパラマウント・ピクチャーズが行った観客調査によると、同作品を観に来ていた61パーセントが男性客、そして65パーセントが25歳以上だったとの結果が出ている。ちなみに週末興収でIMAXから得た収益は全体の23パーセントだったという結果も発表された。


映画館/ナイアガラフォールズ、ニューヨーク州

 第2位は、早くも首位の座を明け渡してしまった『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』で2,026万ドル(約16億2,080万円)。公開後11日目で9,056万ドル(約72億4,480万円)の総合興収となっている。この手のアクション映画は2週目に急激に降下するが、48.9パーセントとまずまずな結果となった。

 第3位は初登場、デヴィッド・フィンチャー監督の期待作映画『ドラゴン・タトゥーの女』で1,275万ドル。ダニエル・クレイグ主演のスリラーだが、共演している新人女優ルーニー・マーラの演技は壮絶でアカデミー賞助演女優賞候補との呼び声も高い。過去10年で屈指の世界的ベストセラーであることや、配給ソニー・ピクチャーズが打ち出したPRなどを考慮に入れるともう少しランクが上でも良かったのではという意見もあるが、この映画はストーリーや映像的がドギツイため、ホンワカ家族ムードのクリスマス週末には少々毒が強過ぎたのではという見方もある。

 代わって第4位は、先週第2位から45.6パーセント落ちのファミリー映画『アルビン・アンド・ザ・チップマンクス:チップレックト(原題) / Alvin and the Chipmunks: Chipwrecked』で1,265万ドル(約10億1,200万円)の収益。アルビン・シリーズもややガス欠状態か……。

 第5位は初登場で、スピルバーグとピーター・ジャクソンがコラボしたモーション・キャプチャーによるアニメーション映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』で971万ドル(約7億7,680万円)だ。本作はスピルバーグ監督がメガホンを取り、次作はジャクソン監督と続編の公開も決まっているものである。ちなみに原作の「タンタンの冒険」シリーズは、ヨーロッパでは知名度が高いもののアメリカではなじみが薄く、ボックスオフィスでもそれがネックとなっているのは確かである。

 さて早いもので2011年もフィナーレを迎えつつあり、今週土曜日はいよいよ大みそかである。スタジオ側も世間がニューイヤー・パーティーで映画どころではないということを見越しており、年末がウイークエンドにかかるときは新作リリースが極端に少ない。

 ということで今週末公開の新作で目ぼしいところは1本のみで、映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』である。新年1月に発表されるアカデミー賞主演女優賞でノミネートが確実視されているメリル・ストリープがイギリスのサッチャー元首相を演じ上げる伝記ドラマだ。メリルのサッチャー元首相への成り切り度は圧巻で、アカデミー賞候補歴16回・2回受賞を果たした大女優の貫録を見せ付け、映画ファンを堪能させてくれるはずだ。

 しかしながら、この映画は限定公開ということでトップ5に食い込む可能性はかなり薄い。このため、次回ランキング予想としては『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が首位をキープ、あるいいは『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』か『ドラゴン・タトゥーの女』が巻き返しを狙うといった展開になりそうである。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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2011/12/20

「えっと……初登場でトップだそうです!」「まてよ……ただ、前作よりは勢いがないらしいな……」 -映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』より - (C) 2011 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

 いよいよクリスマスまであと1週間足らずとなったが、今週末のボックスオフィスは先週に比べると寒さが和らいだものの、初登場第1位となった新作映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の売り上げが前作と比べてかなり減少したという状況で、関係者たちは手放しでは喜べない結果となっている。

【関連写真】今週第1位の映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』場面写真


 映画『シャーロック・ホームズ』シリーズ第2弾となるこの新作は、週末3,964万ドル(約31億7,120万円)をたたき出し全米トップを獲得したものの、前作の映画『シャーロック・ホームズ』のデビュー週末興収が6,230万ドル(約49億8,400万円)だったことを考えると、これからのシリーズ存続が脅かされるほどの落差となっている。業界内では、『シャーロック・ホームズ』新作の予告編が前作と何ら変わりない映画のように見えて、似たり寄ったりの内容という印象しか受けず、映画ファンの興味を引くことに失敗したのではないかといわれている。(1ドル80円計算)

 配給ワーナー・ブラザーズの調査によると、映画を観に来ていた59パーセントが男性客、全体の50パーセントが35歳以下の観客であったことが発表された。

 今週は第2位もシリーズもので、初登場のファミリー映画『アルビン・アンド・ザ・チップマンクス:チップレックト(原題) / Alvin and the Chipmunks: Chipwrecked』で2,324万ドル(約18億5,920万円)。映画『アルビン/歌うシマリス3兄弟』から数えてシリーズ3作目となる新作も、前出の『シャーロック・ホームズ』シリーズと同様に、シリーズ2作目の映画『アルビン2 シマリス3兄弟(しまっピーズ) vs. 3姉妹(しまペッツ)』のデビュー週末4,888万ドル(約39億1,040万円)と比べるとおよそ50パーセント以上の収益減となっている。アメリカの著名映画ファンサイトの平均スコアもB+と奮わず、こちらもシリーズの存続に影を落としている。

 今週第3位は、こちらも続編ものでトム・クルーズ主演映画『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』のIMAX限定公開版で1,279万ドル(約10億2,320万円)。一般公開は今週末からで、IMAX版のみが先行公開となった同作品は、アメリカで425館という小規模の公開にもかかわらず上位3位に食い込むという離れワザを見せた。シリーズそのものの魅力もさることながら、IMAX限定公開版では来夏期待の超大作映画『ダークナイト ライジング』のおよそ6分に及ぶ予告編が公開され、高額な入場料を払ってでも映画ファンがIMAXシアターに足を運んだと思われる。ちなみに『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』は、過去全米600館以下における限定公開の歴史において、映画『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』の週末デビュー収益を追い抜き、新たな歴代ナンバーワンの作品となっており、水曜日から全米一般公開となるため今週末の興収に大きな変化が出るものと考えられ注目が集まる。

 第4位は先週第1位から3ランクもダウンしてしまった映画『ニューイヤーズ・イブ』で731万ドル(約5億8,480万円)。43.8パーセントも収益ダウンしてしまったが、封切り後10日間の総合収益は2,472万ドル(約19億7,760万円)となっている。

 第5位も先週から3ランク落下の映画『ザ・シッター(原題) / The Sitter』で461万ドル(約3億6,880万円)。こちらは53.2パーセントの落下率と、公開2週目にして早くもガス欠状態だ。

 さて、いよいよクリスマスの今週末は話題性の高い新作たちがバトル開始を待っている。まずはスティーヴン・スピルバーグ監督作品が2本。ファミリー映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』と映画『戦火の馬』である。『戦火の馬』は戦争の描写がかなりキツく子どもには向かないシーンも多いため、ファミリー映画とは言い難いものの、現地では水曜からの公開となる『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』は大人も子どもも関係なく楽しめる作品となっており、ファミリー映画のかき入れどきでもあるこのシーズンに果たしてどれだけの収益をたたき出せるか、次回のランキングが楽しみである。

 続いては、ダニエル・クレイグ主演、デヴィッド・フィンチャー監督待望の映画『ドラゴン・タトゥーの女』が、今週いよいよ公開。スウェーデン作家のベストセラー推理小説を基に映画化されたスウェーデン映画のリメイク版で、こちらには大人の映画ファンたちがこぞってシアターに押し掛けそうな気配である。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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